2015年07月19日

絶対に・・・。第四話

あれから3年が経った。僕は毎日毎日、修行に取り組み続けた。

師匠である悟さんからは「休むことも修行だ!」と言われ、強制的に月に数回は休まされたが、休みの日ですら、扉を開ける方法をひたすらに考えていた。

どうやら、あの扉のことについて、悟さんが持っている権限を使い、あらゆる資料を調べてくれたようだった。だが、誰が何の目的のためにあの扉を作ったのかすら、わからなかったらしい。そして資料には、一度扉を開け、帰ってきたものは何名も存在することが書かれていたが、二度も扉を開けられたという人は一人もいないとのことだった。

さらに驚くことがあり、悟さんもかつては一度、扉を開けていたらしい。そして、その時に出会った人物や、風景などと、僕が行った世界を比べてみたところ、どうやら僕が行った世界とは全くの別の世界だということがわかった。

それは資料の中にも、戻ってきた人のエピソードなどが書かれていたが、全ての人がそれぞれ全く別の世界に行っているようだった。

つまり、可能性としては、僕が再び扉を開けることができたとしても、同じ世界に行けるとは限らないということ。そして、そもそもが扉を開けられる可能性すら低いとのことだった。

だけど、そんな可能性など関係ない。僕は絶対に美香をこの世界に連れ戻さなければならない。なぜなら、絶対に連れ戻すと、美香に約束をしたから。

そして、そこからさらに半年後、僕は歴代最年少という若さで、魔法使い見習いを卒業した。そして、立派な魔法使いとなった。

正直、僕を指導していた悟さんですら驚いていた。扉から戻ってくる前までは、本当に魔法使いになれるのかすらわからないような成績だったのに、それから三年半で、ここまで成長できるとは正直思ってもいなかったらしい。

それだけ僕が努力を続けたということだ。それだけ美香が、僕にとっては大切な存在だということだ。

だけど、そんなことすら・・・どうでも良かった。僕が魔法使いになれたところで、美香を連れ戻せなければ意味などはないのだから。

けれども、実際には意味などなかったわけではないらしい。魔法使いになったことで、見習いでは見ることもできなかった資料が、見られるようになる。つまり、そこには僕が追い求めていた『答え』すら見つかる可能性だってあるということだ。

これで、また一歩・・・また一歩だけ、近づけたよ、美香。もう少し・・・もう少しだけ待っていてくれ。

・・・続く。

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posted by ちょっとオタクなプー at 22:09| Comment(0) | 自作小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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