2015年07月16日

絶対に・・・。第三話

提案を受けた美香は、驚くほどあっさりと承諾した。僕としては、少々迷ってほしいという気持ちもなくはなかったが、何よりも時間が惜しい。

美香と僕は、正面を向いて、輪を作るような感じで両手を繋いだ。そして、僕の魔力が美香へと流れていく。

「俺、美香と一緒に修行した日々はとても楽しかった。もう、会えないかもしれないけど、元気でな。俺もこの世界で元気に暮らすから。」

僕の魔力のほとんどは美香へと渡り、魔力を失った僕は、立っていることができなくなり、その場に座り込んでしまった。

そして・・・美香は言った。

「うん。地球に戻っても元気にやりなよ。実は私、涼太のことが好きだったんだー。気づかなかったでしょー。」

え?

僕は聞き間違えたのだろうか。それとも美香が言い間違えたのだろうか。もう一度聞き返そうとしたとき、美香は魔法を使い始めていた。

「美香!待て!その魔法は違うだろ!!」

「うんん。これで合ってるよ。涼太は地球に戻って、みんなと仲良くやりなよ。私には、悟さんと涼太しか大切な人がいないもの。涼太は家族も友達も、たくさん大切な人がいるよね。私が向こうに戻るよりも、涼太が戻った方が絶対に良いって!!だから、ここでお別れ。バイバイ、涼太。」

美香の魔法が僕の周りに結界を作っていく。そして、僕は浮かび上がり、そして扉の方へと移動していく。

「馬鹿!!なにやってるんだよお前!!なんで俺がお前を残して帰らないといけねーんだよ!!だったら俺もここに残るから、早く魔法を解け!!」

「うんん。そのお願いは聞けない。」

「馬鹿・・・お前・・・お前・・・。」

美香はこう見えて、とても頑固な性格なため、一度言ったことを取り消すことがなかなかない。そして、このままだと確実に僕は地球へと戻ることになる。だから・・・

「わかった。俺が絶対に絶対にお前を連れ戻しにここにまた来るから!!それまで絶対に死ぬんじゃねーぞ!!約束だ!!それまでサヨナラだ。わかったな、美香。」

「うん。バイバイ・・・涼太。大好きです。」

僕の身にまとった結界が扉の結界と溶け合い、そして気づいたときには、見覚えのある場所に僕はいた。そこは、悟さんから修行として言い渡された洞窟の中だった。

もう一度、扉に触れてみるが何も起こらない。

「馬鹿・・・美香・・・。」

そこから、フラフラになりながらも洞窟から出ることができ、そして、洞窟の入り口には悟さんがいた。

その後、散々怒られたが、僕は真剣にその説教を受けた。そして告げた。

「俺、これから本気で修行に取り組みます。そして、絶対に美香を連れ戻してきます。よろしくお願いします。師匠。」

そこから、僕の厳しい修行が始まった。

・・・続く。

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posted by ちょっとオタクなプー at 19:34| Comment(0) | 自作小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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