2015年07月15日

絶対に・・・。 第二話

僕たちは村人に連れられ、村長の家へとやってきた。その家は、周りの家と遜色などはなく、『偉い人の家』という感じは全くしなかった。

そして、しばらくすると、白いヒゲをモサモサと生やした老人が、その家から出てきた。

僕らはとりあえず、村長に事情を説明することとした。自分たちは違う世界の人間で、この世界に来た理由というのが、触れてはならないと師匠に言われていた扉に触れてしまったため、その中へと引きずり込まれ、そして、今に至る・・・と。

ざっくりとした説明で、これでは理解できないのではないか・・・と思ったが、村長はどうやら、その扉のことを知っていたらしい。そして、その扉のことについて詳しく述べてきてくれた。

村長が言うには、伝承ではその扉のことを、こう伝えられているらしい。異世界への扉・・・と。そして、その扉はもう一度だけ開くことができる。だが、扉を開くためにはその異世界の者だけが持つ魔力を扉に捧げることが必要であり、また、開くことができるのは異世界の扉が開いてから、太陽が沈むまで・・・と。

つまり、こういうことらしい。元の世界に戻るには、時間があまり残されていないということ。そして、太陽は既に沈み始めている。残された時間は・・・あと少し。

僕らは村長と村人にお礼を言うと、急いで来た道を引き返した。

だが、さすがに走って戻っていては時間がどうしても足りない。そのため、僕らは身体能力が急激に上昇する魔法を、魔力を惜しげもなく使い、扉の前へと戻ることとなった。

そして、辺りが夕暮れ時になり、やっと到着する。

僕らは村長に言われた通り、扉へと魔力を捧げ始めた。

そして、扉が少しずつ開いていき、しばらくすると完全に開ききった。

僕と美香は急いで中に入ろうとした。だが、扉の中に入ろうとすると、見えないものが邪魔をし、跳ね返されてしまう。

その時、美香は気付いた。扉の中へと入る方法を。

その方法とは、以前に師匠である悟さんから教わっていた、結界の中へと入る魔法。つまり、この見えない邪魔をしてくるものを結界であると美香は推測し、そして、その結界の中へと入る魔法を思い出したのだ。

そして、その魔法とは、結界と、自分の体の周りに生成した結界を中和することにより、その結界の中へと入るという魔法。そして美香は、僕にそのことを教えてくれた。

だが・・・この魔法を使うには、自分の体の周りに結界を生成する魔法が必要であり、そして、その結界と、扉に付いている結界を中和させるという魔法を使うため、少しは魔力が残っている必要があるのだ。なのに、この扉に戻ってくるまでに身体能力を急激に上昇させる魔法を使い、さらに扉に魔力を捧げたため、二人ともあまり魔力は残っていなかった。

だけど、方法がないわけではない。

二人とも、ほんの少しだけ魔力が残っており、そして、その魔力を片方に分け与えることで、一人だけでも結界の中へと通すことができる。

それに気付いたとき、僕は迷うことなく美香に魔力を分け与えることを提案した。

・・・続く。

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posted by ちょっとオタクなプー at 19:43| Comment(0) | 自作小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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